カトゥーラ種とは|ブルボン突然変異の矮性品種

カトゥーラ種とは|ブルボン突然変異の矮性品種

カトゥーラ(Caturra)は、20世紀初頭のブラジルで発見されたブルボン種の自然突然変異で、樹高が通常より低く抑えられる矮性(わいせい)品種である[1]。樹高が低く密植栽培が可能なため、1970年代以降コロンビアと中米諸国で広く普及し、現在も中南米の主要品種の一つとして栽培される[1]。さび病への耐性が低い一方、高標高で栽培すると良好なカップ品質を示し、栽培地の標高や精製方法によって味わいは変化する[1]

目次

カトゥーラの起源と発見

ブルボン種の自然突然変異

カトゥーラは、ブラジル・ミナスジェライス州で発見された、ブルボン種の自然突然変異である。World Coffee Research(WCR)のカタログによれば、この変異は1915〜1918年ごろにブルボンから生じたとされ、サンパウロ州のカンピーナス農事試験場(Instituto Agronômico de Campinas, IAC)が1937年から系統選抜を開始した[1]。矮性形質は単一遺伝子の変異(compactism)によるもので、株がコンパクトに育つのが特徴である[1]

ブルボン種は、もともとアラビカコーヒーノキ(Coffea arabica)の主要な栽培品種の一つである。Kew(英国王立植物園)のデータベースによれば、アラビカ種の自生地は南スーダン東部・エチオピア南西部・ケニア北部に限られ、Coffea canephoraとCoffea eugenioidesの自然交雑から生じた異質四倍体である[5]。ブルボンは18世紀初頭にイエメンからインド洋のブルボン島(現レユニオン島)に渡り、そこから世界へ広まった系統で、樹高の高い品種である[2]。カトゥーラはこのブルボンの遺伝的背景を受け継ぎながら、樹高だけが大きく変化した品種である[2]

発見当初は変わり種として扱われたが、IACが矮性形質の選抜を進め、商業栽培の可能性が評価された[1]。樹高が低く密植栽培が可能なことから、グアテマラには1940年代に伝わったものの、広く商業栽培されるようになったのは1970年代以降である[1]

ブラジルから中米への伝播

カトゥーラは、樹高が低く密植栽培に向くことから、中南米のコーヒー産地で密植による集約的栽培の普及を後押しした品種として知られる[1]。コロンビアや中米諸国では、在来のティピカ種に替わってカトゥーラへの植え替えが進み、1970年代以降に主要品種の一つとなった[1]

中米諸国では、コスタリカやグアテマラなどが標高の高い火山地帯でカトゥーラを栽培し、高標高栽培に適応させた[1]。ニカラグアなどでも普及が進み、限られた農地で収量を確保できる矮性品種として各国に広がった[1]

こうした伝播の背景には、樹高が低く手の届く範囲に実がつくため収穫しやすく、密植により単位面積あたりの株数を増やせるという、カトゥーラの矮性形質の利点があった[1]

栽培特性と生産性

カトゥーラの植栽密度と収量 カトゥーラ・ティピカ・ブルボンを、横軸=植栽密度、縦軸=収量で配置した散布図。矮性のカトゥーラは高密植でき収量が高い右上に位置する。 カトゥーラの栽培特性 矮性・密植向きで高収量。ただしさび病には弱い 収量(t/ha)植栽密度(本/ha)1.01.52.020003000400050006000カトゥーラ樹高1.5–2m/標高1200–1600mティピカ樹高3–4mブルボン樹高2.5–3.5m 本文「栽培特性と生産性」。ブルボンの矮性変異ゆえの高密植・高収量。 出典: World Coffee Research(Arabica Variety Catalog) 図解:coffee-pick.com

矮性がもたらす密植栽培

カトゥーラの最大の特徴は、株がコンパクトに育つ矮性である[1]。WCRはカトゥーラの推奨植栽密度を1ヘクタールあたり5000〜6000本(単一主幹仕立て)としており、樹高の高い在来品種より高密度に植えられる[1]。密植栽培では単位面積あたりの株数が増え、収穫作業の効率も向上する。

矮性品種は実が手の届く範囲に集中するため収穫しやすく、剪定作業も容易である[1]。また、樹高が低いことで強風による枝折れのリスクが減る利点もある。

一方で、カトゥーラは養分要求量が高い品種であり、密植による集約栽培では十分な施肥が前提となる[1]。施肥が不足すると後述の隔年結果や品質低下を招きやすい。

収量と結実パターン

WCRはカトゥーラの収量ポテンシャルを「中程度(Medium)」と評価している[1]。密植により単位面積あたりの株数を増やせるため、適切な施肥と管理を前提とすれば、樹高の高い在来品種より高い総収量が期待できる[1]。一方で養分要求量が高いため、施肥が不十分だと本来の収量は発揮されない[1]

カトゥーラは植え付けから3年目に最初の収穫が得られる[1]。隔年結果(ある年に多収、翌年に減収を繰り返す現象)の傾向は、高収量年に樹体が消耗し翌年の花芽形成が抑制されることで生じやすく、施肥や剪定の管理で緩和される。

成熟は一度に全ての実が熟すわけではないため、複数回の選択的収穫(ピッキング)が必要になる。

環境適応性と栽培限界

WCRによれば、カトゥーラの最適標高は、緯度5〜15度の地域で1300メートル以上とされ、高標高で栽培すると良好(Good)なカップ品質が得られる[1]。一般に、昼夜の寒暖差が大きい高地ほど糖度と酸味の発達が促され、風味が複雑になる。低標高では気温が高く成熟が早まるため、風味の複雑さが出にくい。

栽培には、排水性が良く有機物に富む土壌と、乾季・雨季が明確に分かれる気候が適している。乾季は開花を誘導し、雨季は実の肥大を促すため、この周期が安定した地域で高品質豆が生産されやすい。

耐病性は低く、WCRはカトゥーラを「さび病(Hemileia vastatrix)に非常に感受性が高い(very high susceptibility)」と評価している[1]。線虫やコーヒーベリー病(CBD)にも感受性がある[1]。1970年代以降に中米でさび病が広がった際、カトゥーラ栽培地域は被害を受け、多くの農園が耐病性品種への転換を進めることになった。

項目カトゥーラティピカブルボン
樹高1.5〜2.0m3.0〜4.0m2.5〜3.5m
植栽密度(本/ha)5000〜60002000〜30002500〜3500
収量(トン/ha)1.5〜2.00.8〜1.21.0〜1.5
さび病抵抗性
最適標高(m)1200〜16001000〜18001000〜1700

風味特性とカッピング評価

明るい酸味とクリーンな味わい

WCRは、カトゥーラを高標高で栽培した場合のカップ品質を「良好(Good)」と評価している[1]。一般にカトゥーラは、明るい酸味とクリーンな後味を基調とし、ボディは中程度、甘さは控えめと評されることが多い。この酸味の質は、高標高で栽培された豆で特に際立つ傾向がある。

フレーバーは、レモンや青リンゴ、白桃といった果実系で表現されることが多く、ウォッシュト精製(水洗式)では酸味が際立ち、ナチュラル精製(乾燥式)では果実感と甘さが強調される。ハニープロセス(果肉を残して乾燥)では、両者の中間的な風味が得られる。

高標高で適切に精製されたカトゥーラはスペシャルティグレードの評価を受けることもあるが、ゲイシャ種のような突出した高評価は一般的ではない。なお、ここで挙げた具体的なフレーバー表現は栽培環境やロットによって変わるため、目安として捉えたい。

栽培環境による風味の変化

カトゥーラの風味は、栽培地の標高と気候に強く依存する。標高の低い低地で栽培された豆は、酸味が弱く、ボディも薄く、全体的に平坦な味わいになりやすい。これは気温が高いため成熟が早まり、糖分と有機酸の蓄積が不十分なまま収穫されるためである。

昼夜の寒暖差が大きい中高地では、夜間の低温が糖分の消耗を抑えて酸味を保存する。この条件下で育ったカトゥーラは、明るい酸味とキャラメルやハチミツを思わせる甘さが調和しやすい。コスタリカのタラス地方やコロンビアのナリーニョ県など、火山性土壌と豊富な降雨量を持つ地域が、こうした高品質豆の産地として知られる。

さらに標高が上がると、成熟期間が延びて風味の複雑さが増す一方、霜害のリスクが高まり収量も減少する。高地では豆の密度が高まり、焙煎時の熱伝導が均一になってクリーンな味わいが得られやすい。

土壌の影響も大きい。排水性が良く有機物に富む火山性土壌はミネラル感のある風味を生みやすく、粘土質で排水性の悪い土壌では根の発達が阻害されて風味が平坦になりやすい。

焙煎と抽出での扱い

カトゥーラは豆の密度が中程度で、焙煎時の熱伝導が比較的均一とされる。ライトロースト(浅煎り)では酸味が際立ち、フルーティーな香りが前面に出る。ミディアムローストでは酸味と甘さのバランスが取れ、ナッツやキャラメルの風味が加わる。ダークロースト(深煎り)では酸味が消失し、苦味とボディが強調されるが、カトゥーラ本来の個性は出にくくなる。

ハンドドリップでは、湯温92〜94度、抽出時間2分30秒〜3分の範囲が、明るい酸味とクリーンな後味を引き出す目安になる。湯温が高すぎると渋みが出やすく、低すぎると酸味が尖る。エスプレッソでは酸味が強調されるため、ブレンドのベースとして使われることも多い。

フレンチプレスでは、豆の油分が抽出されてボディが増し、まろやかな口当たりになる。ただし微粉が混入しやすいため、粗挽きにして抽出時間を4分程度に抑えるのが望ましい。

中米での普及と産地特性

コロンビアにおける主力品種化

コロンビアでは、中高地でカトゥーラの栽培が広がり、従来のティピカ種を置き換えていった。特にアンティオキア県、ナリーニョ県、ウィラ県などの中高地で栽培が拡大した。コロンビア国立コーヒー研究センター(Cenicafé)は、カトゥーラの栽培技術を整備し、農家への普及を支えた。

コロンビア産カトゥーラは、高標高でウォッシュト精製されることが多く、明るい酸味と柑橘系のフレーバー、クリーンな後味で知られる。ナリーニョ県などの高地産はスペシャルティコーヒー市場で高く評価される。

その後、さび病の被害を背景に、Cenicaféはカトゥーラとティモール・ハイブリッド(耐病性系統)を交配したカスティージョ種を開発し、耐病性品種への更新が進められている。現在でもカトゥーラは栽培されているが、面積は減少傾向にある。

コスタリカとグアテマラの高地栽培

コスタリカでは、タラス地方、中央盆地、西部渓谷などの火山地帯でカトゥーラの栽培が広がった。コスタリカは法律でロブスタ種の栽培を制限し、アラビカ種の高品質化に注力してきた経緯があり、カトゥーラはウォッシュト精製と組み合わせてクリーンで明るい酸味の豆を生産している。

タラス地方のカトゥーラは、火山性土壌と豊富な降雨量、大きな昼夜の寒暖差に恵まれ、レモンやオレンジ、ハチミツを思わせる風味で評価される。コスタリカ産カトゥーラは、日本市場でも「コスタリカSHB(ストリクトリー・ハード・ビーン)」として流通し、スペシャルティコーヒー愛好家に支持されている。

グアテマラでは、アンティグア地方、ウエウエテナンゴ地方、アティトラン地方などの火山地帯でカトゥーラの栽培が広がった。グアテマラは複数のコーヒー生産地域を持ち、地域ごとに異なる風味特性を生む。アンティグア地方のカトゥーラは、火山灰土壌と乾いた気候により、チョコレートやスパイスを思わせる風味が加わる独特の味わいを持つ。

ホンジュラスとニカラグアの展開

ホンジュラスは2000年代以降にコーヒー輸出量が伸び、中米有数の生産国となった。この成長を支えた品種の一つがカトゥーラで、中高地でウォッシュト精製され、明るい酸味とキャラメルの甘さで知られる。

ホンジュラスでは小規模農家が生産の大半を占め、協同組合を通じた共同精製と輸出が行われている。カトゥーラは密植栽培が可能で、限られた農地で収量を確保できるため、小規模農家に適した品種として普及した。ただしさび病対策として、近年はカトゥアイ(カトゥーラとムンド・ノーボの交配種)[3]や耐病性品種への転換が進んでいる。

ニカラグアでは、ヒノテガ県、マタガルパ県、ヌエバ・セゴビア県などの北部高地でカトゥーラの栽培が広がった。ニカラグア産カトゥーラは、チョコレートとナッツの風味が強く、酸味は控えめでボディが厚い傾向があると評される。

弱点と栽培上の課題

さび病への脆弱性

カトゥーラの最大の弱点は、さび病(Hemileia vastatrix)に対する抵抗性がほとんどないことである。WCRはカトゥーラを「さび病に非常に感受性が高い」と評価しており、線虫やコーヒーベリー病にも感受性がある[1]。さび病は葉の裏側に黄色い斑点を生じさせて光合成能力を低下させる真菌病で、放置すると収量が大きく減少する。1970年代以降に中米で広がり、カトゥーラ栽培地域は被害を受けた。

さび病対策としては、銅剤や殺菌剤の散布が一般的だが、定期的な散布が必要でコストと環境負荷が大きい。近年では、シェードツリー(日陰樹)を用いた管理や、耐病性品種への植え替えによって病害リスクを抑える取り組みが進んでいる。

2012〜2013年ごろには中米全域でさび病が大きく広がり、カトゥーラ栽培地域も被害を受けた。この経験から、多くの農家が耐病性品種(カスティージョなど)への転換を進めており、カトゥーラの栽培面積は減少傾向にある。

隔年結果と樹勢管理

カトゥーラは隔年結果(豊作年と不作年が交互に来る現象)が起きやすい品種である。豊作年には樹体が消耗し、翌年の花芽形成が抑制されるため、収量が減少する。この傾向は、施肥が不十分な場合や、剪定管理が不適切な場合に強く出る。WCRもカトゥーラの養分要求量を高いと評価しており、十分な施肥が前提となる[1]

隔年結果を抑制するには、収穫後の速やかな剪定と追肥が重要である。剪定では、古い枝や過密な枝を除去し、樹冠内部への日照と通風を確保する。追肥では窒素とカリウムを中心に施用する。開花期の水分管理も重要で、乾季の終わりに適度な水分ストレスを与えることで開花を誘導し、結実の均一性を高める。

樹勢管理の失敗は、収量だけでなく風味にも影響する。樹勢が弱いと豆の成熟が不均一になり、未熟豆や過熟豆が混入して品質が低下する。また、樹勢が弱いと病害への抵抗力も落ちるため、総合的な栽培管理が求められる。

高投入型栽培の経済性

カトゥーラで高い収量を得るには、密植、十分な施肥、剪定、病害防除といった集約的な栽培管理が必要である。WCRもカトゥーラの養分要求量を高いと評価しており、こうした管理コストは小規模農家にとって負担となる[1]

特に、さび病対策の殺菌剤散布と、収量を維持するための施肥は運営費の大きな割合を占める。有機栽培では化学肥料や農薬を使わないため収量が下がりやすく、経済性が悪化しやすい。こうした背景から、近年では耐病性品種への転換や、複数品種の混植による病害リスクの分散が進められている。

一方で、スペシャルティコーヒー市場では高品質なカトゥーラは高値で取引されるため、適切な栽培・品質管理を行えば集約栽培でも十分な利益を確保できる。コスタリカやコロンビアの一部農園では、高評価のカトゥーラを高価格で販売している。

関連品種と遺伝的展開

パカス種との関係

パカス(Pacas)は、エルサルバドルのサンタアナ地方で1949年にパカス家の農園で発見されたブルボン種の矮性突然変異で、カトゥーラと同じくブルボンを起源とする[4]。パカスもカトゥーラと同様に単一遺伝子による矮性(compactism)形質を持ち、株がコンパクトで密植栽培が可能という特徴を共有する[4]

パカスとカトゥーラは、いずれもブルボンの矮性変異という共通の性質を持つが、発見地と発見年は異なる。WCRはパカスの収量ポテンシャルを中程度と評価しており、コンパクトな樹形を活かした密植で総収量を高められる点はカトゥーラと共通する[4]。風味も明るい酸味とクリーンな後味を基調とする点で類似する。

パカスは、後述するパカマラ種(パカスとマラゴジッペの交配種)の親品種としても重要である[4]。パカマラは大粒の豆と複雑な風味で知られ、スペシャルティコーヒー市場で高く評価されている。

カトゥアイへの遺伝的貢献

カトゥアイ(Catuai)は、1949年にブラジルのカンピーナス農事試験場(IAC)が育成した、ムンド・ノーボ(ティピカとブルボンの自然交雑種)とカトゥーラの交配品種である[3]。カトゥーラ譲りの矮性形質を持ち、ブラジルでは1972年に商業品種として公開された[3]

カトゥアイは矮性ながらカトゥーラほどコンパクトではなく、WCRは収量ポテンシャルを中〜非常に高い(特にブラジルで)と評価している[3]。風味はカトゥーラと類似し、明るい酸味とクリーンな後味を基調とする。

カトゥアイは、ブラジル、コスタリカ、ホンジュラスなどで広く栽培され、中南米の主要品種の一つとなっている[3]。ただし、カトゥーラと同様にさび病への抵抗性が低く(WCRは「さび病に感受性が高い」と評価)、近年は耐病性品種への転換も進んでいる[3]

交配品種の親としてのカトゥーラ

カトゥーラは、World Coffee Research(WCR)の品種カタログにブルボン-ティピカ群(ブルボン系)の矮性品種として収録されている[1]。WCRのカタログは品種の来歴・遺伝的背景・耐病性・カップ品質を体系的に整理したもので、研究者や生産者が品種を比較するための基礎資料となっている。

カトゥーラの遺伝的背景は、アラビカ種(南スーダン東部〜エチオピア南西部に自生)[5]から、イエメン経由でブルボン島に渡ったブルボン系統[2]、そしてブラジルで生じた矮性変異のカトゥーラ[1]、という経路をたどる。この矮性形質は後の多くの交配品種に受け継がれ、カトゥアイ(ムンド・ノーボ×カトゥーラ)[3]をはじめ、カスティージョなどカトゥーラを親とする品種が各国で開発された。

産地別では、コロンビアのナリーニョ県など高標高・火山性土壌の地域で栽培されたカトゥーラが、明るくクリーンな酸味と柑橘系のフレーバーで特に高く評価されている。WCRも高標高でのカップ品質を良好と評価している[1]

品種起源樹高収量(WCR評価)さび病抵抗性主な栽培地
カトゥーラブルボン矮性突然変異(ブラジル、1915〜1918年ごろ発見・1937年から選抜)矮性低(非常に感受性が高い)コロンビア、中米
パカスブルボン矮性突然変異(エルサルバドル、1949年)矮性エルサルバドル、ホンジュラス
カトゥアイムンド・ノーボ×カトゥーラ(ブラジル、1949年)矮性中〜非常に高ブラジル、中米
カスティージョカトゥーラ×ティモール・ハイブリッド(コロンビア)矮性コロンビア

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結論

カトゥーラは、20世紀初頭のブラジルで発見されたブルボン種の矮性突然変異として、20世紀後半の中南米コーヒー産業を支えた主要品種である。樹高が低く密植栽培が可能なことと、明るい酸味・クリーンな後味という風味特性により、コロンビアや中米諸国で広く普及した。しかし、さび病への脆弱性と隔年結果という弱点を抱え、2000年代以降は耐病性品種への転換が進んでいる。

自宅でコーヒーを淹れる立場から見ると、カトゥーラは産地と標高による風味の変化が大きく、選び方と淹れ方で表情が変わる面白い品種である。標高1400メートル以上の中高地産を選び、ライトからミディアムローストで淹れると、柑橘系の明るい酸味とクリーンな後味が楽しめる。品種特性を理解することで、豆選びの視点が広がり、抽出の工夫にもつながる。

カトゥーラの遺伝的背景と栽培特性を知ることは、他の品種(カトゥアイ、パカス、カスティージョなど)を理解する基礎にもなる。品種ごとの違いを意識しながら飲み比べることで、コーヒーの奥深さをさらに味わえるだろう。

参考文献

  1. World Coffee Research「Arabica Coffee Varieties: Caturra」
    https://varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/caturra
  2. World Coffee Research「Arabica Coffee Varieties: Bourbon」
    https://varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/bourbon
  3. World Coffee Research「Arabica Coffee Varieties: Catuai」
    https://varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/catuai
  4. World Coffee Research「Arabica Coffee Varieties: Pacas」
    https://varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/pacas
  5. Plants of the World Online (Kew)「Coffea arabica L.」
    https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:747038-1

この記事を書いた人

コーヒーを「なんとなく美味しい」で済ませない、Coffee Pick Lab。豆の品種から抽出収率まで、つい数字で語ってしまうコーヒーメディアです。一杯の裏にある歴史と科学を、一次資料と再現性を頼りに、できるだけ正確に、たまに脱線しながらお届けします。

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